身体が捻れない… これって腰が硬いから?
こんにちは。
浜松.磐田の腰痛と膝痛専門の「接骨院RISE(ライズ)」です。
腰痛の原因の一つ、「腰椎の運動機能障害症候群」についてお話しています。
今日お話しするのは身体を捻る動きである回旋-伸展の運動機能症候群についてです。
簡単にいうと身体が捻って痛む人の事です。
腰痛患者の50%以上の人が、回旋-伸展の運動機能症候群に当てはまると報告しています。
姿勢不良でも腰椎の過剰な動きが起こりやすいので、骨盤や骨格を正しい位置に整えて、関節の動きを改善し、体幹を中心とした筋肉で安定させることが大切です。
腰椎の機能障害では、関節や筋肉の動きが問題で起こることが多いです。
【相対的柔軟性と筋肉の硬さに関する機能障害】
腰椎回旋–伸展症候群では、腰椎の伸展や回旋方向に柔軟性が過剰であることが多いです。
腰椎の伸展と回旋に以下の事が関与しています。
①股関節屈筋群が骨盤を後傾する腹直筋よりも硬い
②股関節外転筋群が外側の腹筋群よりも硬い
③大腿筋膜張筋が骨盤の回旋をコントロールする
腹筋群よりも硬い
④広背筋が骨盤を後傾したり、腰椎を平坦にしたりする
腹筋群よりも硬い
【筋と動員パターンの機能障害】
①座った状態から立ち上がる時に、背筋群が腹筋群よりも優位で大きい場合
②前かがみや何かに寄りかかった姿勢から直立位に戻る時に、
股関節伸筋群よりも背筋群が優位な場合
③座った姿勢で前方にかがむ時や寝た状態から起き上がる時に、
腹筋群よりも股関節屈筋群の方が優位な場合
④外腹斜筋、腹横筋、中殿筋後部線維の筋力低下
⑤大腿筋膜張筋、腸腰筋、大腿直筋の短縮あるいは硬い
【検査における要約】
慢性的な腰痛患者様においては、回旋–伸展運動が最も多い腰痛発生要因です。
検査では、すべての患者様が陽性となるわけではありませんが、回旋–伸展検査の各項目で陽性所見が多く、また症状が重症であることが多いです。
【腰痛回旋–伸展症候群の治療】
施術プログラムは、症状を引き起こす方向のアライメント、ストレス、運動を除去することです。
腰を反って痛いのであれば、クランチのように腰椎を屈曲する運動を行うのも必要です。
腰椎の前弯が強い場合は、骨盤を後傾しニュートラルに戻し、腰椎を適切な前弯に維持するための腹筋群の強化が必要(ドローインやスクープ)です。
最も重要なのは、
症状を引き起こす方向のストレスや運動に関与する
日常生活活動や姿勢を明らかにすることです。
普段の生活中に起こる腰椎回旋(パソコン姿勢、電話、引き出しから物を取るなど)は非常に頻回に行われるため、ほとんどの人が回旋していることに気づいていません。
椅子に座る姿勢では、片側に寄りかかり肘掛けに体重を乗せて側屈姿勢を作っている人もいます。
側屈は腰椎に対して非対称的な圧迫を伴うだけでなく、回旋も伴います。
理想的な座り方は、椅子に深く腰掛け、背骨を背もたれに預けた状態で、わずかに腰椎が前弯している姿勢です。
野球やゴルフ、バドミントンなどラケットやクラブなどを使用するスポーツは、比較的足を床につけたまま回旋が行われます。
したがってこれらのスポーツ回旋症候群に関与することが多いです。
骨盤や腰椎での代償する(かばう、補う)回旋動作を最小限にとどめるためには、股関節回旋の柔軟性を維持することが不可欠です。
テニスやバレーボールも回旋運動はありますが、足部は固定されず、全身を使っての回旋運動が行われるため、腰椎の回旋の関与はあまり大きくないのです。
エクササイズプログラムの大切なポイントは、エクササイズ中に症状が誘発されないことと、どの動きで症状が出るのかを患者様自身に把握してもらうことです。
【施術時の姿勢】
①立位
片方の股関節内転位(片脚に体重をかけた状態)は脊柱が側屈するので避けるべきです。
腰椎の前弯や腰椎の伸展運動も控えた方が良いでしょう。
骨盤を少し後傾させ、腰椎の前弯を減じるような腹筋群の運動は行うべきです。
②座位
椅子に真っ直ぐ深く腰掛けると、股関節周囲筋と背筋群はリラックスします。
両方の股関節と膝関節は同じ高さになるように椅子の高さを調整しましょう。
身体を回旋させたり、片側に寄りかからないように真っ直ぐに座ります。
③座位からの立ち上がり
椅子の前側に移動する際、両手で身体を押し付けながら前方に移動し、股関節を捻らないように気をつけます。
膝の真上に股関節が位置するようにしながら、腰椎伸展を強めるような動きをすることなく、背部をまっすぐに保ったまま立ち上がります。
その際に肘掛けを押しながら行うことが必要な場合もあります。
大腿部の筋肉が弱い場合は、腕の力を利用して座ります。
④階段昇降
階段に足を置くためには股関節を屈曲する必要があります。
股関節を屈曲する際に、腰椎前弯を増強させる腸腰筋が働くため、腸腰筋が働く前に腹筋群が働き、腰椎前弯を防ぐようにします。
また、足を階段に置いた後は、身体を持ち上げます。
この時に股関節伸筋群が働かないと、腰椎伸展を増強させます。
次の段に登る時は、体幹部を少し前傾させたり、手すりに体重をのせたりすると、症状悪化を防ぐことができます。
⑤歩行
痛みなどの症状がある場合は、骨盤前傾や回旋を防ぐようにいつもより小さめな歩幅で歩く必要があります。
参考文献
「運動機能障害症候群のマネージメント」
Shirley A . Sahrmann 著